まず、 ページ2
小川side
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試合直前の円陣、いつも祐希さんか選手がするんだけど
今回のVNLはスタッフも加わることになって、
初戦に当たるなんて
ほんと、この人は引きが強いな
A:私たちは、相手のサーブの威力、ブロックの高さ、スパイクのパワーなど
相手の強さ、そのデータを基に、対策を講じ、練習してきました。
緊張で、たどたどしく感じる
A:でも.....
試合中は、
そんなの関係ないです。
大きく息を吸い、俺たちの目を見て、力強く言う。
A:相手が誰であろうと、このチームなら勝てます。
いつも通り。
自由にやってください。
選手:っつしゃああ!!!
今の俺たちには、何言っても、聞く余裕がないと分かっているからこその言葉。
スタンディングメンバーが呼ばれ、試合が始まる。
今回も出れない。
それを実感する。
悔しい。
最近、そんなことも思えなくなってきてた
智さんがいる限り、当たり前だと
A:小川。
Aさんが俺の目を真っすぐに見て言う。
次に、Aさんが言うだろう言葉が浮かんだ。
小川:まず、リベロが居る。
A:?!
小川:もう、分かってますよ。
はっとしたような顔のAさん
ピースサインを俺に向けて、伊藤コーチのとこへ戻っていった。
でも、
下を向いているわけじゃない。
当たり前だから。
だから、俺が出るときの為に、着実に準備する。
いつかの試合で、Aさんに言われた...
セッターが自由にボールを操れるように
スパイカーが自由に打てるように
そのために、まずリベロがいる。
イランの高い打点からのスパイク...
えっぐ。隣にいる達宣がつぶやく。
ボールはすごい速さで、藍と智さんの間に突き刺さる。
今の、智さん悔しいだろうなー
大塚:あーっ!悔しい!
小川:でも、次、智さんが取るよ。
大塚:え?
キャラでもないのに、つい、言葉に出てしまった。
イランの強烈なサーブ、
取った。
そう思った瞬間、
智さんは、逆でんぐり返しをして、
ボールは綺麗に関さんへ上がった
大塚:小川さん!!!
大塚がキラキラとした目で俺を観る
関さんは、いつも通り、自由に
トスを上げる
大塚:らん!ナイスキーっ!
流れは完全に掴んだ。
結果、3-0
智:いやー、小川、居てくれてありがとう。
智さんがどういう意味で、言ったか聞かなかったけど
無償に嬉しかった。
小川:なに、急に(笑)
照れた返事しか俺にはできなかった。
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作者名:Lily | 作成日時:2023年11月28日 19時